« クソ野郎撲滅法/ロバート・I・サットン | トップページ | なぜ、あの会社は儲かるのか?/山田英夫 »

2021年3月 1日 (月)

幸福優位7つの法則/ショーン・エイカー

Photo_20210222082201

 幸せは「成功に先行する」のであり、単なる「成功の結果」ではない

多くの人は、「ここで昇給を勝ち取れば」「次の売上目標を達成できれば」「成績がもうワンランク上がれば」「あと3キロ痩せせさえすれば」……、もっと「幸せ」になれると考える。

いつもこの順序だ。

「成功」が先で「幸せ」はあとに来る。

ただしここには問題がある。

それはこの図式そのものが成り立たないということだ。

成功が幸せをもたらすのであれば、昇進した社員、入学試験に合格した学生など、何かの目標を達成した人はみな幸せになっているはずだ。

しかし実際には、勝利を勝ち取るたびに、成功のゴールポストはさらに前方へと押しやられていく。

そうして幸せは、地平の彼方にどんどん遠ざかっていくのである。

英国詩人ジョン・ミルトンは、叙事詩『失楽園』で、「心はそれ独自の場所である。その中で地獄から楽園を作り出すことも、楽園から地獄を作り出すこともできる」と書いている。

ミルトンの時代から300年たったいま、この言葉が現実となっているのを目の当たりにしている。

時間と精神のエネルギーを最も多く投入している状況がその人の現実になるのである。

人間の脳は、普通の気分のときでもネガティブな気分のときでもなく、ポジティブな気分のときに最もよく働くようにできている、ということが証明されている〟

ポジティブ心理学の分野で次々と出てくる研究結果を知れば知るほど、これまで私たちが個人的な、もしくは仕事での成功に関して抱いていた考えが間違いだったということは明らかである。

仕事で成功する一番の近道は、脇目も振らずにがんばることではない。

また上司として部下にやる気を出させたいと思うなら、大声で命令して社員を怯えさせたり、ストレスまみれにしたりしてはいけない。

幸福感や楽観主義に関する画期的な新しい研究がいまや、学問とビジネスの世界の常識をひっくり返しつつある。

膨大な量の調査を終了して分析を終えたとき、具体的で、行動に移すことができ、効果が実証済みの、成功と達成に関わる7つのパターンを特定することができた。

法則1 ハピネス・アドバンテージ

ポジティブな脳は、平常時の脳やネガティブな脳に比べて、生物学的な優位性をもつ。この法則から、脳を再訓練して積極性を高めることで、生産性や業績を改善する方法が学べる。

法則2 心のレバレッジ化

自分の置かれた状況をどのように経験するか、またその中で成功できるかどうかは、マインドセット、すなわち心の持ちようによって絶えず変化する。この法則から、幸せと成功をもたらすてこの力が最大になるように心の持ちよう(てこの支点)を調整する方法が学べる。

法則3 テトリス効果

ストレスや悪いことや失敗にばかり注目するパターンが脳の中に出来上がってしまうと、挫折への道に自らを追い込むことになる。この法則から、脳を再訓練して肯定的なパターン(ポジティビティ)を探せば、どんな状況からもチャンスが見出せるということが学べる。

法則4 再起力

挫折やストレスや困難のさなかでも、人の脳はそれに対処するための道を考え出す。失敗や苦難から立ち直るだけでなく、その経験があったからこそ、より幸せになり成功をつかむ道を見出せるということがこの法則から学べる。

法則5 ゾロ・サークル

大きな試練に圧倒されると、理性が感情に乗っ取られてしまう。まず達成可能な小さなゴールに注目してコントロール感覚を取り戻し、それから徐々に範囲を広げて大きなゴールを達成する方法を、この法則から学ぶことができる。

法則6 20秒ルール

人間の意志の力には限界がある。いい方向に変化してもそれを持続させることは難しい。意志の力が尽きれば、もとの習慣あるいは「最も抵抗の少ない道」にずるずると戻ってしまう。この法則から、エネルギーの調整によって、別の道を「最も抵抗の少ない道」にし、悪しき習慣をよい習慣に置き換える方法を学べる。

法則7 ソーシャルへの投資

試練とストレスに見舞われると、身を丸めて自分の殻の中に閉じこもってしまいがちだ。しかし最も成功している人々ほど、友人、同僚、家族との人間関係を大事にして、それを推進力としている。この法則からは、成功と卓越をもたらす大きな因子、人のネットワークにもっと投資する必要があることを学べる。

本書の中心となる「7つの法則」は、ここ20年ほどの心理学の革新的な研究に基づいており、そこに著者自身の「幸せと成功の関係」に関する研究結果を肉づけしたものである。

これらのツールは、職業や立場にかかわらず誰もが、日々の仕事を成功させるために使うことができる。

もう変わらなくていいと信じることが幸せなのではない。

自分は変われると思うことが幸せなのだということであろう。

« クソ野郎撲滅法/ロバート・I・サットン | トップページ | なぜ、あの会社は儲かるのか?/山田英夫 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事